【野田首相を癒す男】高知新聞夕刊

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高知新聞 2011年9月22日(木)夕刊

【野田首相を癒す男】

「わもん」の薮原さん

あす高知市で講演

「相手の声なき声を聞き、相手を助け、自らも成長する」という自己修養法「わもん(話聞)」を提唱する人材育成コンサルタント、薮原秀樹さん(48)=大阪市=が23日、高知市内で講演会を開く。野田佳彦首相と旧知の仲で、「メンタルコーチ」を務める間柄。首相を癒す薮原さんの「わもん」とは…。

(大山泰志)

《心の奥の声 聞く》

 「総理の印象? 愚直で人を裏切らない。人の話を受けとめつつ、自分の意見もしっかり持っている。その能力は天性のもの」

 徳島県出身の薮原さんは、中岡慎太郎ファンとあって度々来高。5年ほど前から定期的に県内で「わもん」教室を開き、RKCラジオで月2回のレギュラー番組も持っている。

 「わもん」は、寄り添うように相手の心の奥の声を聞くことで、相手が自ら悩みや課題の解決を図れるよう導くコミュニケーションスタイル。「聞くというより、移り身の術を使って相手と一緒に悩むんです」

 話しだす前の苦笑、声の揺らぎ…。直接聞こえる声以外のちょっとした変化に、本音が隠れているという。「そうだよね」「もう少し聞かせて?」。自然体を保ちつつ、集中して「聞く」感覚を研ぎ澄ます。

 信念は「絶対尊敬」。相手が悩みを必ず乗り越えられると信じる。判断も否定もせず、目線を同じにした聞く姿勢が、相手に自信や勇気を湧かせる。

 「聞き上手」になれば、自分の声なき声も聞こえてくる。冷静に自分と向き合い、答えを導ける。「わもん」は自己啓発、成長にもつながるという。

   ■―■

 薮原さんは、実は政治家を志していた。

 選挙応援で全国を回ったこともあり、14年前、佐賀県多久市長選の応援中に、落選して“浪人”中だった野田首相と出会った。薮原さんは首相のスピーチ力や人の意見を聞く力、首相も薮原さんの説得力に共感し、同志と認め合うようになったという。

 首相が衆院議員に返り咲いた2000年の選挙をサポート。02年の民主党代表選では一緒に全国を回った。代表選に敗れて意気消沈していた首相に、薮原さんは「正々堂々と戦ったじゃないですか。何を落ち込んでるんですか」。

 06年の「偽メール問題」で党国対委員長を辞任した時はすぐ横で支え、議員仲間の会合の司会もする。

 「野田さんと接する時も『わもん』。思っていることが手に取るように分かる。ストレスを癒したり、和ませたり、気持ちが落ち込んだ時に支える。メンタルコーチというより、理解者かな」

 以心伝心。何も言わず、すしや酒を手に会いに行くことも。首相就任以降、直接会ってはいないが、必要と思えばメールや電話をする。「遠慮せずいつでも電話します、と言ってある」と笑う。

 目下、気になるのは内閣支持率。「ご祝儀相場はいずれ終わる。それでもメンタル面が落ち込まないよう支えたい。精神的に安定していれば、ぶれずに判断できる」

 野田首相は日本を背負って立つ、と信じてきた薮原さん。首相は講演会に合わせ、「やぶちゃん」と呼んで信頼を寄せる薮原さんに「私の政治活動を支えてきてくれました。私も『わもん』にずっと支えられてきたわけです」とのメッセージを寄せている。

 講演会は23日午後1時半から、県民文化ホール(オレンジ)で。入場料は千円。

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