Fw:内容よりもテンポ重視《ナカジfrom小布施》

▼SNSでシェアをしてやぶちゃんを応援しよう![?]

image0009.jpg

【2012/5/16 小布施町役場ファシリテーション勉強会】

この日の2本目は、役場のファシリテーション勉強会、略してファシ勉。

「今日はみなさんにイリュージョンを体験していただきたい!」

高らかな宣言のもと、やぶちゃんが繰り出した必殺技は、そうです、「1:N二人羽織わもん」!

会の主催者である役場の宮崎さんがファシリテーター、やぶちゃんが羽織となって、参加者全員の会話を回していきます。

まずは宮崎さんが羽織なしで単独ファシリテーション、続いてやぶちゃんを背負っての二人羽織ファシリテーションを行い、その違いを明らかにすることで、宮崎さんの課題をあぶり出すという趣向です。

博多から「わもん」修行に来られた「わたふ」さんに提起いただいたお題は、「小布施の魅力とは?」。

最初に宮崎さんのすぐ隣にいたAさんが指名され、Aさん戸惑いながら回答。

つづいてAさんの隣のBさんを指名したことから、勢い、座席の並び順での発言という流れに。宮崎さんはお一人お一人の発言を丹念に受けとめながら「なるほど、では○○さん」「なるほど、では△△さん」。

6番目に指名を受けたCさんは、話題を次々と拡げて、いわば「会話ボールをキープ」の状態。Cさんのお話が節目となるまで、宮崎さんも参加者も、じっと聞き入ります。

ここで「ストップ」がかかり、羽織やぶちゃん登場。

作戦タイムの後、宮崎さんが開口一番おっしゃったのは「Dさん、小布施の魅力を一言で言うと?」。

この最初の質問で場の空気がパッと変わりました。

「一言で」との投げかけによって、「アンチクライマックス方式」へ誘導されていく、発言の組み立て。

加えて、一人ひとりの発言がギュッとコンパクトに。

自然とボールキープ状態はなくなり、ショートパスが素早く軽快に回っていく運びとなります。

前半は「一直線」という印象だったのが、後半は網目を描くように激しくクロスしていく、会話の動線。

誰がいつ指名されるかわからないという緊張感。全員の参加意識、集中力の高まり。

発言が新展開を見せると、すかさずファシリテーターがキーワードを拾って全体へフィードバック。

要所要所で、お題を提起された「わたふ」さんへ戻し、テーマの確認と、納得の深化、疑問の核心への接近。

全体の流れを受けて、話をまとめてくれそうな参加者へ委ねる総括。

さらに、ダメ押しの総括。

……という運びの中で、「みんな小布施ラブ!」というキーワードが、いつの間にか場の真ん中に鎮座し、共有されていました。

ファシリテーションを終えて、やぶちゃんから……

「ファシリテーターはなるべくボールをキープしない」

「発言が長い人にも、息継ぎの瞬間がある。そこをとらえてパスを引き取る」

「一人ひとりが何を考えているか、表情や目の動き、動作から常に推察」

「次の発言者にどんな言葉をかけたら、その発言者が『満足できる』かを考えて」

「誰かが発言しているとき、聞いている全員が受け身でいられない状態をつくる」

「指名する相手によって、音調、音階、音種をすべて合わせ、話しやすい状況をつくる」

参加者のみなさんから……

「『一言で』という話題の絞りこみによってパス回しが早くなる」

「ポイントが絞られると考えやすくなる」

「テンポが速くなると場が盛り上がる」

「羽織やぶちゃんが入った後半は、全員が均等に話せた」

「前半は『次に指名する人を見つける』印象だった。羽織がついた後は『人が見つかる』感じ」

「自分が話したいと思った瞬間、すかさず指名してもらうと、満足度が高い」

「発言者の話を『聞きに行く』とテンポがズレる。聞きに行かなくても『自然に入ってくる』感覚が必要」

「聞き入ったら遅い。考えた遅い。ファシリテーターは非思量であること。思考停止状態であること」

「『自分』を出さない。その場に『自分』を存在させなくなったとき、聞ける」

そして最後にやぶちゃん。

「ファシ勉で絶対にブレない軸、それは『宮崎さんが必ず名ファシリテーターになる』と信じきること。そのために今、宮崎さんに唯一必要なのは、『テンポ』。ファシリテーションは、話の内容よりもテンポ重視です」

コメントは受け付けていません。