Fw:わもんな言葉126−観察《わもん研究所所長: サノトモ》

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“You see, but you do not observe. The distinction is clear. For example, you have frequently seen the steps which lead up from the hall to this room.”

“Frequently.”

“How often?”

“Well, some hundreds of times.”

“Then how many are there?”

“How many? I don’t know.”

“Quite so! You have not observed. And yet you have seen. That is just my point. Now, I know that there are seventeen steps, because I have both seen and observed. By the way, …”

冒頭から英語で驚いた方もいらっしゃるかもしれません。

上記の引用は、シャーロック・ホームズ「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)」(コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』所収)からの一節です。

ホームズファンならばたいていは知っている有名な箇所です。

ホームズは、「きみ(ワトソン)は見ているが、観察はしていない。(You see, but you do not observe. )」と言って、階段を例に出します。

ワトソンも何百回と見ている、ホームズの部屋へとあがる階段です。

「じゃ、何段ある?」

ホームズからの質問にワトソンは答えられませんでした。

ここでは階段の段数について述べられていますが、何も階段の段数を数えることが観察というわけではありません。

「見る」と「観察する(観る)」の違いは、その対象の特徴を表現できるかどうかということもあるのではないかと私は思っています。

ホームズは段数を言い表すことで表現しました。

絵を書いたり、階段の模型をつくったりして表現することもできるでしょう。

対象を頭の中に写し取っているとも言えます。

「わもん」では、人の話を聞く際、言葉ではなく「音」に意識を向けます。

見るわけではありませんが、音を観察します。

音が観察できているかどうかは、その音を表現することができるかどうか。

実際にその音声や声色を出すという表現もあれば、言葉で説明したり、音階で説明したり、表現方法は様々です。

できるだけ忠実に表現するならば、その人の言葉や声の強弱、音圧、音調等と、同じ声を出すことになります。

ものまねや似顔絵など、似ていると思うものは、全く同じではないけれど特徴をよく捉えています。

特徴を捉えるためには、観察が必要です。

観察をすることで、特徴あるいは本質が浮かび上がってきます。

まずは観察、そして洞察。

さて、この「わもんな言葉」は何回目でしょうか?

《わもん研究所所長:サノトモ》

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