ニュースJAPAN 生出演【2012/08/13 】

吉田昌郎前所長にインタビューした薮原秀樹氏に話を聞きました。

福島第1原発の吉田昌郎前所長がビデオメッセージで、事故当時の状況を生々しく語りました。
2011年10月から、吉田前所長以下、作業員延べ250人のメンタルケアを無償で行ってきた人材育成コンサルタント・薮原秀樹氏に、今回のインタビューについて聞きました。

(吉田前所長と3度にわたり会われたということですが、インタビュー以外で吉田前所長と話して印象的だったところは?)
吉田所長はですね、大阪出身の方なんですね。私も徳島生まれ、大阪育ちですので、大阪弁でやり取りができたんですけども、本当に表裏がなくてですね、立派な指揮官だなという印象があります。それとですね、私わもん』というコミュニケーションの手法で、吉田所長の了解をいただいて、福島第1原発重要免震棟に入れていただいたんですが、一番最初に申し上げたいのは、私は原発賛成・反対、そのどちらの位置でもなくてですね、エンドポイントを吉田所長と話し合って、『福島完全安全宣言』というところに置かせていただいております。

(インタビューも撮られたということですが、インタビューの中で吉田所長が一番訴えたかったことは?)
事故調のインタビューに、ずいぶん多く答えておられるんですが、今回の福島でのビデオの中でもおっしゃっているんですが、肉声がどうしても届かないと。現場の声が、どうしても届かないということをおっしゃっておられます。

(作業員の方とも2011年10月から、定期的にメンタルケアをされているということですが、そういった作業されている方たちの声というのは?)
10カ月にわたり、毎月延べ250人ほどの方にお話を聞いてきたんですけどね、心中はすごく複雑です。自分たちがいったん被害を受けて、加害者になっている。今もう世論はですね、東電に対していろんなご意見があるので、悪いなあと思っているんですけど、自分たちも家が流されたり、お身内がいなくなったりですね、そんなところがあるので、非常に皆さん、複雑な思いを抱えておられます。

(具体的にエピソードで聞かれたことは?)
多くの方がおっしゃっておられますのは、まず奥様が洗濯物を干すときに、東電のジャンパーをベランダに干すことができないので、部屋干しをしているとか。異業種交流会に参加できないので、名刺の数が減ることがなくなったとか、そういったお声をよく聞いております。

(事故当時からお話を伺っていると思いますが、変化は感じますか?)
事故当時は何とか自分たちが命を懸けて、この重要免震棟で支えなければいけないということで、モチベーションが高かったんですが、このメディアに登場して、こんなことを言うのも変な話なんですが、心ないネットの書き込み、いろんな風潮等で、ずいぶんとメンタルが、私が入る10月のころには、下がっておられる方がたくさんいらっしゃいました。

(現場の方から厚い信頼を受けている吉田前所長ですが、2011年11月に食道がんを患われて、今は所長を退いています。最近の様子はいかがですか? 復帰については?)
7月10日にビデオ撮影させていただいた時に聞いた話ですが、ご本人は『戻る意思がある』ということをおっしゃって、強くおっしゃっておられました。今はどうかわかりませんが、7月10日の段階では、そのようにおっしゃっておられました。

(現場もかなりそれを望んでいる?)
望んでいると思いますね。

(かなり信頼厚いと感じましたか?)
ものすごく、いい指揮官だと思います。

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