千葉日報朝刊『種をまく』【2012/ 03/26】

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【2012/03/26 千葉日報朝刊『種をまく』】

全国各地から、お知らせが届いています。今朝は、千葉日報でも掲載されたようです。

まきちゃん、お知らせありがとう(*^_^*)

以下本文…

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【相手も自分も変える「聞く力」】

人材育成 小布施などでコンサルティング  

上高井郡小布施町の小布施中学校。体育館で男子バレー部の新チームが全国大会出場への足掛かりとなる試合直前のミーティング中だ。キャプテンが練習中に足を捻挫し重苦しい空気の中始まったが、「一番苦しんでいるのはキャプテン本人」と全員でいたわる。皆が本心を語り、耳を傾け合っている。 

「みんな、よう聞けるようになったなあー」。横で喜ぶのは、人材育成コンサルタントの薮原秀樹さん(49)。月に一回、大阪から同町職員の意識改革研修に来る薮原さんだが、父母らに頼まれて2年前からバレー部のメンタルコーチも引き受けている。 

薮原さんのコンサルティングは「聞く力」を特に重視する。相手の話を相手の気持ちになりひたすら聞く。助言したくても聞くことに徹する。「話し手は、やがて対処すべき問題に自分で気づき、自ら解決していく。聞けるようになると自分も変われる」と思うからだ。 

信念の根底には、30代後半で建設会社の経営に挫折した経験がある。倒産しかけ、自殺も考えたとき、その苦しみをただ黙って聞いてくれた人がいた。「そのとき命を救われ、同時に自分が変わるチャンスを得たんです」と薮原さん。 

「経済活動を通じて社会を良くしたい」と考えてきた薮原さんはその後、当事者の自発的な行動を促す「コーチング」と呼ばれる人材開発手法を学び、持ち前の人なつっこさでコンサルタントとして成功してきた。

だが「教える」「教えられる」という関係に違和感があった。40代になり思い起こしたのが、ひたすら聞いてもらうことで救われた自分の体験だった。 

そして、「聞く力」の養成を中心にすえた「わもん(話聞)」という人材育成の手法を開発。「(相手を)絶対尊敬」「(自分は)完全沈黙」と誰もが訓練すれば習得できるよう体系化した。

企業をはじめ学校にも招かれるようになった。 活発な住民活動などで有名な小布施町が「職員のコミュニケーション能力をさらに高めたい」と薮原さんを招いたのは、4年前。

「その手法は家族関係にも有効」と感じた町職員が、小学校PTA向けの講演会「聞き上手は子育て上手」を開催し、波紋が広がった。 父母だけでなく会社経営者らも薮原さんを招き自主的に勉強を重ねる。

参加者は「薮原さんと話すと、経験したことのない受け止められ方を感じる。可能性を引き出してもらえる」(ある母親)と話す。 

薮原さんは同町を「東日本大震災後の町づくりのモデルにしたい」と話す。住民が互いに話し、聞ける関係こそが、復興には何より大切だ、と。

「『わもん』の連鎖が起きれば、日本中が良くなっていく」と、自信を持って言う。

(写真キャプション)小布施中バレー部のミーティングで、部員の話に耳を傾ける薮原秀樹さん(右)

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