Fw:一念無想に至る呪文「いま・ここ・自分」《ナカジfrom 小布施》

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【2012/5/16 オブ中男子バレー部メンタルコーチ/後編】

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4日前にケガをしてしまったメンバーに向けて、仲間から

「自分にも経験がある。焦りもするけれど、コートを離れてこそ、わかることもある。自分のポジションを外から確認できる」

「体力づくりやパスなど、できることをやって、次の試合に臨もう」

「夏の大会には間に合う。毎日体を動かせば、体力も落ちない」

焦りや不安は、ケガをしたメンバーだけでなく、チームの全員にあると思います。それでもネガティブな言葉は一つも出てきません。みんなが自分のこととして受けとめ、本気で何とかしようと思っていることが、言葉から伝わってきます。

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「引退まで最長90日。どんな思いで過ごしたいか、仲間へ向けて、伝えてください」。やぶちゃんの言葉を受けて、

「まだ90日もある。いろんなことがもっと上手になれる。技術だけでなく、『このチームで』何ができるか。結果ももちろんだけれど、後輩に何を残せるかを大切に。どういう姿でやっていたかを、1、2年生に伝えたい」

「チームの目標は日本一。でも、バレーだけでなく、日常生活でも、人間的にも、日本一をめざしたい。そうでなければ日本一にはなれない」

「自分たちがどう輝けるのか」

この言葉を聞いた瞬間、やぶちゃんの目が光りました。

「いい言葉だね! 今後はこれをテーマにしてやっていかない? すごくいいオブ中の伝統ができていきそうな気がする」。

やぶちゃんの言葉を受けて、井戸端わもんでも

「練習や地区大会で、どんどん輝いていって、全国で最高に輝きたい。負けても悔しい顔をしない。それも後輩に残せること」

「元気なこと、一生懸命なこと。これがオブ中の伝統。結果は最後についてくる」。

そして最後に全員から一言ずつ。

1年生からは「ネットの張り方から優しく教えてくれた先輩たちの背中を見て育ってきた」「先輩たちの輝く姿をしっかり目に焼きつけたい」「たくさん応援して、一緒に全国へ」。

2年生からは「先輩たちに1秒でも長くコートにいてほしい」「コートの外からでも全力で応援する」「日本一をめざして、いい思い出を一つでも増やしたい」。

3年生からは「悔いを残したくない。1日1日、大切に、全国へつないでいきたい」「いままでついてきてくれた1年生を、全国大会へ連れて行ってあげたい」「まずは初戦から。大切に積み上げていきたい」。

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最後にやぶちゃんから、一念無想のための秘技を伝授。

「ここ一番で平常心を保つため、自分が緊張していることを忘れるには、一つのことに意識を集中するとよいと思います。一念無想です。そのための呪文をお伝えします。

『いま・ここ・自分』です!

『メンタルがやばい!』と思ったら、これを10回くらい唱えてください。次のカットがうまくできるかどうか、という不安より、『いま・ここ・自分』です。

自分が緊張しそうだな、と思ったら、手の甲に『いま・ここ・自分』と書いて、いざというときに、それを見ながら、素早く10回唱えれば、大丈夫です!」

いつもながら、年齢・性別・職業等を問わず、誰もが活用できるご助言をいただきました。

そしてチームの一体感。思いやりの深さ。前回確認した「自分事(じぶんごと)化」の意識の高さ……。

メンバーの思いを聞いていると、つい涙目になってしまいます。それほどに、やぶちゃんとチームとの信頼感の中で、素直に話せる安心空間ができているのです。

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