Fw:わもんな言葉15―話すわもん《わもん黒帯初段: サノトモ》

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2012/ 8/ 5 18:43

「人は“ひらがな”で話を聞いている」

西任暁子さんの『「ひらがな」で話す技術』に書かれている言葉です。

なるほど、と思いました。

文字は別として、音声での言語表現は物理的にみると音の連続です。

横軸に時間、縦軸に周波数をとってグラフに表しても、単語の切れ目や文節の切れ目がどこにあるのか、そのグラフを見ただけではわかりません。

グラフから言葉の意味を読むことはできません。

そうやって耳に入ってくる音の連続を私たちは「ことば」として聞いています。

アクセントや抑揚など、単語や意味のまとまりを示す目印はあるにしても、かなり不思議ですごいことです。

このことをわかりやすく表現した言葉が、冒頭の「人は“ひらがな”で話を聞いている」という表現だと私は認識しています。

「人は“ひらがな”で話を聞いている」ならば、わかりやすい話し方は「“ひらがな”で話す」こと。

『「ひらがな」で話す技術』は、わかりやすく話すための方法について書かれた本です。

この本を読んだとき、「話すわもん」を思いうかべました。

「わもん」は漢字で書くと、「話す」と「聞く」で「話聞」。

「わもん」は「聞く修行」といい、「聞く」に重点を置いていますが、「わもん」の提唱者やぶちゃんは、「わもん」には「話すわもん」と「聞くわもん」がある、といいます。

わもん聞く匠 薮原秀樹 通称:やぶちゃん@wamonyabuchan
【2011/09/16 めざましわもん】《まえがき6》「わもん」=「話」+「聞」です。「わもん」を1本の大樹にたとえるなら、「聞くわもん」と「話すわもん」は、その幹からのびる2本の太い枝です。「聞くわもん」に「話すわもん」が加わると、「わもん力」はグンと高まります。

『「ひらがな」で話す技術』では、「はじめに」の中で、西任さんは次のように言います。

大切なのは、自分の話が「相手にどう聞こえているのか」を徹底的に考え抜くこと。「音」で聞いている相手の頭の中がどういう状態なのか、常に想像することなのです。

おもしろいと思ったのは、『「ひらがな」で話す技術』の最終章が「「話す」とは心の矢印を相手に向けていく作業」というタイトルだったことです。

わもん日めくりカレンダーに「心の矢印を自分に向ける」という言葉があります。

「聞くとき」と「話すとき」では心の矢印の方向が逆。

逆とはいっても、意味においては同じ方向を指しています。

わもん日めくりカレンダーの「心の矢印を自分に向ける」というのは、話を聞くときに、話し手を責めたり、否定したり、誰かのせいにせず、自分に向けること。

一方、『「ひらがな」で話す技術』の「「話す」とは心の矢印を相手に向けていく作業」というのは、相手目線で話すという意味で「心の矢印」という言葉を使っています。

聞き手と話し手が、対立(→←)ではなく、方向を同じく(↓↓)すれば、合力となり、より深い話が聞ける、話せるのではないかと思います。

《わもん黒帯初段:サノトモ》

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