『LAST HOPE 見聞録』(133)  文・田村いくこ【薮原解体SHINSHO シリーズ 93 】

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2016/ 6/20  8:47

『LAST HOPE 見聞録』(133) 文・田村いくこ

【薮原解体SHINSHO シリーズ 93】

薮原は人から恐れがないとよく言われる。

人にはなぜ恐れがあるのか?

人は何を恐れているのか?

薮原は問う

「皆さんとやり取りしている中で【自分】という言葉がずいぶんと出てきた。

【自分】とは誰なんですか?」

一方薮原は問われたことがある

「やぶちゃんはどこにいるの?」

「・・・いない」

人が恐れる一番代表的なものはおそらく「死」だろう。

薮原は、チベットの高僧 ザ・チョジェ・リンポチェ様と問答修行をした際に、問いかけたことがある。

「人はどんなに不幸であったとしても、死ぬときに本当に幸せになれるのですか?」

「(死ぬと)肉体から光が抜ける。

一瞬すべてが光で包まれて、概念という概念はすべて外れる」

何回同じことを聞いても、それ以外の言葉は返ってこなかった。

それを聞いて薮原は悟った。

「人は死んだら、肉体があるときに持っていたものは、もうどうでもいいんだ」

だから薮原は、どうせ死んだらどうでもよくなるのなら、今まさにどうでもいいんだっていう境地を一生懸命重ねているのだという。

「もしかしたらこっちの肉体のある方がイメージングの世界じゃないですか。

本当は無意識共同体といわれるところこそが我々の実像じゃないですか。

とまで思っているので、だからあまり恐れがないのかもしれない」

死を充分受け入れたうえで、それを超えて、今を精一杯生きるんだと、本当の意味で覚悟ができたら、ほとんどの恐れは消えるのだろう。

要はどの次元で【自分】っていうものを捉えるかによるのかもしれない。

どの次元でもいい。

どの次元にもいける。

人はそれを選べる。

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